
不妊治療として、はじめに薬物療法からスタートすることになり、今回は排卵誘発とタイミング法を試してみました。既に進めているブロモクリプチン療法は継続しつつ、排卵誘発剤を併用しながら、クリニック通院によりタイミングを図ると言う流れです。
【この記事から分かること】
・排卵誘発剤の効果
・タイミング法の内容
抗精子抗体の抗体価はストロングだったので、自然妊娠の可能性が低く、体外受精を選択せざるを得ない状況です。
高プロラクチン血症の方は、ホルモン分泌異常を導き、排卵や月経不順の原因となり、着床にも悪影響があることから、体外受精を選択するにしても、対処しなければならない問題です。
排卵誘発とタイミング法
排卵誘発剤とは何か
排卵とは、卵巣で十分に発育した卵胞(卵)が、卵巣から卵管に排出されることを指します。卵管に排出されて精子との受精が起こるので、排卵のタイミングや質は、”妊娠”にとって非常に重要な要素です。
排卵プロセスの大まかな流れは以下の通りです。
排卵までのプロセス
- 視床下部からGnRHが分泌、下垂体を刺激
- 下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣を刺激して、卵胞を発育させる
- 卵胞が発育するとエストロゲンの分泌が増える
- 卵胞が十分に発育すると、エストロゲンの分泌量が増えて、脳から黄体形成ホルモン(LH)の分泌を誘導
- 急激なLH分泌に応答して、排卵が起こる
排卵誘発とは、排卵障害がある場合に、薬剤の力で排卵を促すために用いられる手法で、飲み薬と注射があります。
排卵誘発の詳細は、過去の記事でまとめています。
排卵誘発剤の効果は、排卵自体を促すのではなく、卵胞の発育を促すことです。
代表的な排卵誘発剤は以下の通りです。
タイミング法とは何か
不妊治療としてのタイミング法は、過去の記事でまとめているので、そちらを確認ください。
簡潔に言えば、「超音波検査や尿検査、基礎体温監視などの手法を使って最も妊娠しやすい日(=交渉のタイミング)を特定すること」です。
クリニックなどの医療機関で治療として行うタイミング治療では、超音波検査等を利用して、卵巣で発育する卵胞の大きさを確認しながら、正確な排卵のタイミングを特定します。
ちなみに、市販の排卵検査薬でも排卵日を推測することができます。病院に行かなくても入手できますし、非常に参考になる結果を得ることができます。
治療内容の詳細
以前に、最初に不妊外来を受診した時に、クリミッドを服用して排卵を促しました。
今回は、クロミッドより少しマイルドな効能を持つセキソビットを処方されました。服用のタイミングと、卵胞の大きさ、基礎体温はは以下の通りです。
少し細かい情報を記載しましたが、要点は以下の通りです。
- 月経3〜8日目までセキソビットを服用
- ブロモクリプチンの服用は継続中
- 月経15日目時点で、卵胞の数は4個
- 月経15日目の最大の卵胞サイズは、13.5mm
- 月経19日目の最大の卵胞サイズは、19.2mm
- 排卵日が月経23日目と推測して、21日目に交渉
治療の結果
治療の結果は以下の通りです。
- 排卵誘発剤により、4個の卵胞が発育した
- 月経21日目頃に排卵が起こった
- 高プロラクチンの影響なのか、排卵までの期間が長い
- 医師指導の元、交渉のタイミングは完璧
結果として、残念ながら妊娠には至らず。
理由は明白です。それは、私たちの不妊症の原因である”抗精子抗体”が精子の動きを阻害しているためです。
しかし、今回の薬剤治療とタイミング治療で確認したかったことは、排卵誘発剤への感受性や、卵胞の発育具合だったので、目的は達成できました。
具体的には、
- 排卵誘発剤の効果により卵胞が複数発育することを確認でき、
- 卵胞の発育状況は超音波で観察した卵胞の直径から確認でき、
- 排卵予定日後に卵巣内の卵胞が確認できなくなったことから排卵が予測した期間に起こっていることも確認できました。
支払った医療費
今回の受診で掛かった大まかな医療費は以下の通りでした。
複数回受診している合計を示します。
保険非適用(自費): 0円
今後の治療と流れ
今回の排卵誘発治療とタイミング法の結果を受けて、以下の方針が決まりました。
- ブロモクリプチンの服用 →高プロラクチン血症の治療は継続する
- 次の周期から、体外受精に向けた各種準備を開始する
体外受精と言っても、直ぐに排卵誘発とか、採卵とかをするわけではないみたいです。具体的な話は、治療がもう少し進んでから、まとめて紹介したいと思います。
次回の記事では、今回の記事で紹介しきれなかった内容を紹介したいと思います。内容は、タイミング法に合わせて実施した検査の結果です。私たちと同じような不妊原因を抱えている方には参考になると思います。