
精液検査を受けたことありますか?
こんな心配がある人も多いと思いますので、今回は筆者の体験した、市販の検査キット測定と、医療機関での検査を比較してご紹介します。
市販品を使ってみたいけど購入に悩んでいる人、精度を心配している人、精子検査をしたいけど、いきなり医療機関で検査するのに抵抗がある人にとっては、非常に参考になる内容だと思いますので、是非最後まで読んでいってください。
男性不妊の割合と原因
まずは不妊の原因が、男女どちらにあるのかを表すグラフを示します。
男性に関連するのは、24%(男性側)+24(両方)=48%で、約半数は男性に原因があると言えます。
ref. WHO_1998
不妊症の原因の種類を表すグラフ(出典が別)を示します。
このグラフで男性に関連するのは、約33%。
出典: 非配偶者間の生殖補助医療に関する不妊患者の意識調査. 日本授精着床学会誌. 2004; 21: 6-14
これらの結果から分かることは、”不妊全体の約30〜50%が男性側に原因がある”ことです。
男性不妊の原因だけを抜き出すと、その内訳は下図の通りです。
出典: H10年度厚生省分担研究研究_白井班
男性不妊検査の種類
- 精液検査
- 泌尿器科的な検査: ホルモン検査や遺伝子検査など
精液量 1.5ml以上 精子濃度 1500万/ml以上 総精子数 3900万/射精以上 総運動率 40%以上 正常精子形態率(厳密な検査法で) 4%以上 白血球数 100万/ml未満
精液検査にはどのようなタイプがあるのか
精液検査には、既に紹介したようにいくつかの種類があります。
男性不妊治療や検査を行う医療機関を受診する必要があります。例えば男性不妊専門外来や泌尿器科クリニック、不妊センターや産婦人科などが対象となります。
多くの場合、事前に予約を入れて、精液を自宅で採取した後に、医療機関に持ち込む手順となるようです。詳しくは、お近くの医療機関を検索してみてください。
医療機関での検査費用の目安はこれくらいです。
・保険適用: 1,200円
・保険適用外(自費): 2,000〜10,000円 (医療機関ごとに異なる)
筆者の場合
自身の精液の状態に興味がある人、男性不妊の心配がある人、初めから医療機関を受診するのに抵抗がある人は、まず、簡易的に確認するのが良いかも知れません。そんな人は市販の検査キットを活用するのも良いかもしれません。(ただし、正確な診断を得たい場合は医療機関に行くべきです。)
市販キットには、主に2つのタイプがあります。
筆者の場合
検査を受けるに至った経緯

精液検査結果の比較
検査項目 | 病院での検査 | 市販キット(Seem) | 下限基準値 |
---|---|---|---|
精子濃度 | 14,440万/ml | 15,600 万/ml | 1,500万/ml以上 |
総運動率 | 39.4% | 42.9 % | 40%以上 |
市販の検査キットの結果は、どちらの項目も同程度の数値を示してます。
この結果からは、市販キットでも、高い精度で測定できていると言えます。
私たちの場合、「無精子症」を心配していたので、市販品でも満足できる結果を得ることができました。もしかしたら、全然精子濃度が足りないのかもしてないと心配していましたが、ひとまず安心しました。
総運動率の数値が少し低い点が気になりましたが、病院では「そんなに気にするレベルではない。」と言われたので、大丈夫みたいです。
市販の精液検査キット
- Seem(iPhone/Android)-リクルート ◎今回使ったキット
- TENGA MEN'S LOUPE -TENGAヘルスケア
- メンズホームチェッカー -SuguCare
- YO家庭用精子計測キット -ジャフコ →iPhone X/XS用
- YO家庭用精子計測キット -ジャフコ →iPhone 8/7用
- YO家庭用精子計測キット -ジャフコ →Windows PC用(英語のみ)
- PREGNACT プレグナクト -OES →精子測定画像なし
- PREGNACT Ex プレグナクト Ex -OES →精子測定画像付き
- BUDDY CHECK -ヘルスケアシステムズ
まとめ
記事内で紹介したように、今回に筆者の目的は、「無精子症か否か?」を確認するために実施した測定です。
結果として、WHO基準を超える数値を示したので、最初の不安は解消しました。加えて、病院で検査を受けるときの心のゆとりにも繋がりました。
病院で実施した検査と市販品の測定結果を比較すると、(たまたまかもしれませんが、)ほぼ同等の数値を示したので、市販品でも高い精度を持つことが確認できました。
しかし、注意していただきたいのは、仮に市販品キットでの測定は、診断のための検査ではなく、”ただの測定”です。訓練された技師が実施するような医療機関での検査と比べて、測定結果への信頼性は大きく劣ることを理解して置く必要があります。
また、測定環境やその日の精液、体調の状態、作業方法、作業時間によって、測定結果は容易に変動することも理解しておかなければなりません。
どうしても、医療機関の受診が難しい方や自主測定にこだわる方は、複数メーカーのキットを利用したり、郵送検査も実施したりなどして、なるべく複数の測定結果から判断するようにするのが賢明かと思います。