
妊活中・妊娠中の女性は、食べたらダメな食品や過剰摂取しない方がよい栄養素をご存知ですか?
不妊に悩んでいる夫婦の立場として、日頃から食べ物には気をつけながら買い物をしていますが、どちらか分からない微妙な食品(チーズ、肉、魚、コーヒー、お酒など)もあります。この記事では、妊活中または妊娠中の女性が食べない方がよい食品について簡潔にまとめてみたいと思います。食事の判断に役立ててください。
目次(ジャンプできます)
前提として
基本的な食生活
基本的には、”妊娠中の人”に良い食品・栄養素は、”妊活中の人”にとっても良い食品・栄養素です。
ただし、どんなに良い食品・栄養素でも過剰摂取は良くありません。
5大栄養素をうまく摂取していくことが基本となります。
妊娠段階に合わせた食生活を
この記事では、主に妊婦にとっての悪い食べ物が何なのかに焦点を当てつつ、妊活中の女性にとっても重要な点が分かるように紹介していきます。
妊婦については、妊娠の段階ごとに適切な食事内容も変わってきます。ちなみに妊娠の段階は以下の通りです。
・妊娠中期: 妊娠14〜27週
・妊娠後期: 妊娠28週〜
注意して摂取すべき食品
早速、食品種類のリストを示したいと思います。後で詳細を説明します。
《妊娠中は避けるべき食品》
- アルコール類: 胎盤を通って胎児に悪影響
- タバコ: 胎児毒性、血管収縮作用
- トキソプラズマに感染する恐れのあるもの: 哺乳類や鳥類に寄生する微生物
- 食中毒にかかる恐れのあるもの: 細菌、ウィルス
《食べ過ぎに気をつけるもの》
- 多量のカフェイン: 300mg/日以下に抑える
- 多量のビタミンA: 特に妊娠初期の大量摂取は避けるべき
- 水銀を含む魚: 水銀は胎児の中枢神経系の発達に影響を及ぼす可能性あり
- 海藻類: ヨウ素やヒ素を含むもの
- 加工品: 食塩のとりすぎ注意
注意して摂取すべき食品(詳細)
妊娠中は避けるべき食品
アルコール類
飲酒はやめるようにしましょう。
妊活中
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妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対して低体重・顔面を中心とする奇形・脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児性アルコール症候群と言われます。胎児性アルコール症候群には治療法はなく、また少量の飲酒でも妊娠のどの時期でも生じる可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒を止めるようにしましょう。
【詳細】
- 胎児性アルコール症候群は飲酒量に比例してリスクも増える
- 大量に飲まなくても少量飲酒での胎児性アルコール症候群の報告例がある
- 基本的には妊娠全期間を通して何らかの影響が出る可能性がある
- 胎児性アルコール症候群には治療法はないため、唯一の対処法は妊娠中飲酒しないこと
- 広い範囲での影響: 出生時の低体重や奇形、ADHDや成人後の依存症リスクなど
タバコ
喫煙はやめるようにしましょう。
妊活中
妊娠中
喫煙は、ヒトが妊娠し、胎児が成長し、出生してきて、乳幼児期から小児期そして思春期、成人へと成長し、また子孫を再生産するプロセスにおいて、さまざまな健康影響を及ぼします。
【詳細】
女性の喫煙は、
- ”妊孕性”つまり妊娠する能力の低下の原因となる
- 早期破水・前置胎盤・胎盤異常の原因となる
- 早産や妊娠期間の短縮もみられる
- 胎児の成長が制限されることもあるので、低出生体重の可能性が増加
- その他の影響として子宮外妊娠・自然流産・口蓋裂が指摘されている
トキソプラズマに感染する恐れのあるもの
トキソプラズマに感染する恐れがあるものはやめるようにしましょう。
妊娠中
【注意点】
- 野菜や果物はよく洗うか、皮をむく
- 包丁・まな板などは生肉等を扱った後に十分に洗浄
- ネコを飼育している方は要注意
- 川の水や井戸水などの生水は飲まない
- 疑われる原因から2週間~1ヶ月経過するまで検査できない
そもそもトキソプラズマがどういうものなのかを知りたい方は、下記を読んでください。
ヒトが感染した場合、成人では8割は無症状で2割にリンパ節腫脹、発熱、筋肉痛、疲労感などの症状が出るが数週間で回復すし、慢性感染に移行する( 無症状 )。
しかし、胎児や免疫抑制状態(AIDSや臓器移植など)では脈絡網膜炎、中枢神経系障害、肺炎、心筋炎などを起こし、妊娠初期に感染すると死産・流産・児に重い障害がでることもある。
妊娠中に感染して、胎児に影響を及ぼす恐れのあるものとして、サイトメガロウィルスへの感染が挙げられます。サイトメガロウィルスは、世界中のいたるところにいる、ありふれたウイルスです。
食中毒にかかる恐れのあるもの
食中毒は、細菌やウィルスによって引き起こされます。細菌やウィルスの種類は様々で、それぞれ注意するべき食品が異なります。
妊活中
妊娠中
個別の原因ごとに解説
リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌。加熱により死滅するが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴。
ノロウイルス感染症は、ウイルスの中でも特に小さく丸い形をしているのが特徴の「ノロウイルス」によって引き起こされる「感染性胃腸炎」の一つで、多くは軽症に経過する疾患。ノロウイルスは、一般的には、牡蠣などの二枚貝を原因とする「食中毒」の原因ウイルスで、内部にプラス1本鎖RNAを遺伝子として持っている。
突然、吐き気や嘔吐を発症し、続いて下痢・腹痛が起こってくるのが特徴。まれに発熱を伴うこともある。症状の持続は、3日程度と短い。
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られている。
小括
ここまで、妊婦が避けるべき食品について、まとめてきました。世間一般によく言われるような、酒・タバコ・生ものが危険なものだとご理解頂けたと思います。
”妊活中の人”も、基本的には”妊婦さん”と同じ点に気をつけて食べ物を選ぶ必要があるので、上記のことを参考に妊活期間中は過ごすべきだと思います。
長くなってしまったので、食べ過ぎに注意するべき食べ物の詳細については、別の記事で紹介します。