葉酸が妊活・妊娠中に重要な栄養素であるワケ、不妊との関係について

葉酸は重要だ!と、よく耳にするけど、なぜそんなに重要なの?って思うことあるませんか?

最近では、葉酸と不妊の関係も報告されています。

この記事から分かること

    • 葉酸の役割と重要性
    • 推奨される摂取量
    • 葉酸を含む食品
    • 葉酸サプリメント

 

妊娠しやすい体づくりを考えて、いろいろ調べていると葉酸に行き着きました。
筆者が気になった以下の点を重点的に紹介します。
・葉酸ってそもそも何?
・適切な摂取量は?
・どの食材に含まれるのか?
・サプリを活用できるのか?

 

葉酸とは

葉っぱ

 

葉酸は、水溶性のビタミンB群の仲間であり、プテロイルモノグルタミン酸およびその派生物の総称です。ほうれん草などの緑黄色野菜や果物などの身近な食品に多く含まれています。

 

 

プテロイルモノグルタミン酸の構造式

葉酸の化学構造

葉酸大きく分けると葉酸は「2種類」に分類できます。

 

 

  1. ポリグルタミン酸型葉酸(天然型): 一般的には食品に含まれる葉酸
  2. モノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸): 主に葉酸サプリメントに含まれる葉酸

 

 

 

<2種類の葉酸の違い>

  • 食品に含まれるポリグルタミン酸型は、熱に弱いため調理方法によっては約50%近くが分解され、吸収率は50%程度
  • サプリに含まれるモノグルタミン酸型の吸収率は、約85%と言われている。

出典:elevit

 

 

つまり、葉酸を効率よく摂取したいなら、サプリから摂るのが良いと言うことです。では、葉酸を摂るとどのような効果があるのでしょうか?解説はこちら

 

余談

化学の分野では、物質の名前をつける時にいくつかルールがあります。
例えば、今回出てきた”モノ”や”ポリ”はよく目にする単語かもしてません。
これは『ギリシャ語の数字』を意味します。
ここでは細かいことを無視してシンプルに示すと以下のようなものがあります。
1: モノ        10: デカ        1/10: デシ
2: ジ         100: ヘクト       1/100: センチ
3: トリ        1,000: キロ        1/1,000: ミリ
4: テトラ       1,000,000: メガ       1/1,000,000: マイクロ
5: ペンタ       1,000,000,000: ギガ   1/1,000,000,000: ナノ
6: ヘキサ
7: ヘプタ       多くの: ポリ
8: オクタ
9: ノナ
例えば、
・1km(キロメートル)は1,000m(メートル)
・1mm(ミリメートル)は1m(メートル)の1/1,000
・アメリカ国防総省の本庁舎は、五角形の形をしているので、「ペンタゴン」
化学構造でも同様で、前述の「モノグルタミン酸型葉酸」は、先に示した構造式の物質が1つの状態を示し、「ポリグルタミン酸型葉酸」は多く連なった構造を意味しています。

体内での役割と効果

役割と効果

 

葉酸には以下のような役割があります。

  • DNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオシドとデオキシピシミジンヌクレオシドの合成に関与(細胞の増殖と深い関係)
  • アミノ酸やタンパク質の代謝に関与
  • ビタミンB12とともに赤血球の生産を助け、また血中のコレステロール値を低下させる可能性があり、動脈硬化のリスクを低減させる

 

 

 

妊娠初期の女性のお腹の中では、急速に胎児の体が形成されます。細胞分裂により増える細胞それぞれにDNAが内包されているので、DNAの材料である葉酸が非常に多く必要となります。アミノ酸やタンパク質も胎児の体を形成するのに欠かせないモノです。つまり、妊婦の葉酸摂取量が不足している場合、胎児の先天異常のリスクが上がる可能性があります。因みに、妊娠していなくても貧血の原因となる恐れがあります。

 

 

 

 

それなら葉酸を多めに摂取すれば良いか?

もちろんそんな訳はありません。

 

 

摂取した葉酸が体内で活性を保つためには、他の栄養素(ビタミンB2, B6, B12, Cなど)を必要とします。そのため、葉酸の効果を最大化するには、他の栄養素とのバランスに注意を払う必要があります。サプリでこれらを補いたい場合は、マルチビタミン系のサプリを利用するのが良いのだと思います。

 

 

 

適度な摂取量はどれくらい?

泡

 

 

葉酸の1日の摂取基準量は、厚生労働省の資料で示されています。(下表)

 

単位はμg/日であり、推奨量は食事性葉酸の摂取量を示しています。

年齢女性(通常)妊婦(※1)授乳婦共通
推奨推奨推奨上限量(※2)
18〜29歳240480340900
30〜69歳2404803401000

(※1)ただし、妊娠を望む女性や妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの 低減のために、付加的に 400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸(葉酸サプリメントから)の摂取が望まれる。
(※2)上限量とは、プテロイルモノグルタミン酸(葉酸サプリメントから)の量として示される。

葉酸を含む食品

緑黄色野菜

 

 

食品由来の葉酸は先述したように、天然型であるポリグルタミン酸型葉酸のことをさし、これが食品100g中にどれくらい含まれているかは以下の通りです。

 

 

各食品を ”100g” 食べた時の、葉酸の含有量。↓

味付け海苔
1600 μg
鶏レバー
1300 μg
牛レバー
1000 μg
乾燥わかめ
440 μg
乾燥昆布
170 μg
枝豆(生)
320 μg
枝豆(茹で)
260 μg
大豆
230 μg
ほうれん草
210 μg
アスパラガス
190 μg
納豆
120 μg

食品から摂取する場合の注意点

料理
妊婦の場合、厚生労働省の資料で推奨される葉酸の摂取量は1日あたり480μgです。
この数字は、サプリに含まれる葉酸の種類(モノグルタミン酸型葉酸)の摂取量で示されているので、食品に含まれるポリグルタミン酸型葉酸の摂取量は、相対生体利用率50%を用いて換算して、960μgとなります。
食品の場合の換算例を以下に示してみます。
(例)納豆 1パック: 60μg
   →食品からの葉酸は相対生体利用率が50%程度なので、サプリを基準に考えると、60μg×0.5 = 30μg分のサプリを摂取したことになります。
納豆
(例)ほうれんそう 2株(約60g): 126μg
   →食品からの葉酸は相対生体利用率が50%程度なので、サプリを基準に考えると、126μg×0.5 = 63μg分のサプリを摂取したことになります。
ほうれん草
1日の推奨される量は480μgですが、
納豆1パックの30μgとほうれん草2束の63μgを足し合わせても、93μgにしかなりません。

過剰摂取

過剰摂取

 

 

食品から摂取する葉酸(ポリグルタミン酸型葉酸)については、過剰摂取による健康被害が報告されていないようです。

一方、サプリメントから摂取する葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)については、過剰摂取に気をつけなければなりません。

 

 

 

なぜならば、

葉酸は、代表的な栄養素としてビタミンB12と共に体の中で様々な働きをしています。ビタミンB12が不足している人が、サプリメントなどで葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を過剰に摂取すると、ビタミンB12欠乏による大赤血球性貧血の発生を隠してしまい、ビタミンB12欠乏による重篤な疾病である後外側脊髄変性の発見が遅れる危険があります。

 

 

そのため、男女ともに、前記の通り摂取量の上限値が設けられており、さらには他の栄養素とのバランスを意識する必要があります。

 

 

主に食品から葉酸を摂取したい人へ
葉酸を多く含む食品として、レバー類が挙げられます。
しかし、これらのレバーやうなぎ肝は、ビタミンAを多く含む食べ物です。
ビタミンAの過剰摂取は、胎児の奇形などの問題となる可能性がるので、過剰摂取を避けなければなりません。
詳しくは、ビタミンA(レチノール )についての記事をご覧ください。

 

 

葉酸の欠乏と不妊との関係

不妊との関係

一般的には

 

葉酸が欠乏すると、

・ビタミンB12欠乏と同様に巨赤芽球性貧血を引き起こす.

・動脈硬化の引き金になる血清中のホモシステイン含量も高くなる。

・妊婦であれば、胎児の正常な生育に影響があり、神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こす。

 

 

 

葉酸の欠乏は不妊とも関係があります。

 

 

ある研究によると、
葉酸サプリを多く摂取していたグループでは、プロゲステロン値が増え、無排卵症のリスクを低減させる効果があると報告されている。
また、排卵障害や月経不順、ホルモン分泌の関係も葉酸の不足が影響していることがわかってきている。

 

葉酸サプリメントの活用

サプリメント 葉酸

葉酸は、アミノ酸やタンパク質、DNA、RNA、赤血球の生産に必要な栄養素であり、妊婦のお腹の中に胎児がいるときは、特に重要な栄養素と考えることができます。その為、先に示した”葉酸を含む食品”をしっかり摂取するのが良いのだと思います。

 

 

しかし、記事内で紹介した食品を食べれば良いと言うわけではありません。これらの食品の中には、過剰摂取により胎児に悪影響がある栄養素を多く含む食品もあるからです。例えば、レバー類には”ビタミンA”が大量に(1日に必要な摂取量の10倍以上)含まれており、これは胎児の奇形の原因となる場合があります。

 

 

逆に、摂取量が”上記推奨量”に満たない場合は、サプリメントから葉酸を摂取する必要があります。

 

 

「サプリは、非自然的で嫌だ。食品からの方が自然で良い!」と思う方も多いと思いますが、”葉酸”については、記事内で触れたように、サプリに含まれる葉酸型の方が、食品に含まれる葉酸型より吸収効率が高く、非常に効率的です。そのため、葉酸に関してはサプリの利用が非常に合理的です。

 

 

さらに、葉酸の摂取と合わせて、その効果を最大化するには、他の栄養素(ビタミンB12など)もバランス良く摂取することが重要となります。

 

 

世の中には様々な葉酸サプリ商品があるので、自分にあった物を選ぶことができるのも大きなメリットだと思います。

 

 

具体的に、どんなタイプのサプリがあるのか、簡単にまとめてみました。価格については、筆者が調べた限りで、最も割安だったAmazonのリンクを貼っておきますので、リンク先で確認してください。

 

 

コストを意識するのであれば、定番のDear Naturaのサプリ(国産)が、カルシウムや鉄なども含まれているのでお得感があります。

 

同様に低コストでありながら、ビタミンB2, B6, B12が含まれるDHCのサプリ(国産)もあります。

 

さらに多種のビタミン・ミネラルが必要だと思う方は、ピジョンのサプリ(国産)が良いと思います。

 

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