不妊の原因

不妊症には非常に多くに原因が知られています。それらの原因の所在は、男性にも女性にも、時には両者にある場合もあります。また、原因が分からない不妊症のカップルもかなりの割合存在しています。

不妊の原因としてよく挙げられるのが”年齢”ですが、若年者でも不妊症となる場合はあります。年齢の影響は、以前の記事で紹介したのでそちらを参照ください。

本記事では、不妊症の具体的な原因、種類、割合を個別に紹介したいと思います。

 

 

不妊の定義

まず、不妊の定義は以下の通りです。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいい、この「一定期間」について「1年というのが一般的」である。

 

性別別の原因

不妊の原因が、男性と女性のどちらあるかを示すデータがこちらです。

不妊症の原因の内訳

WHO_1998

 

原因の種類

不妊症の原因の内訳は、以下の通りです。

不妊症の原因割合2

非配偶者間の生殖補助医療に関する不妊患者の意識調査. 日本授精着床学会誌. 2004; 21: 6-14

 

 

各原因の詳細

ここから、各原因因子の詳細を紹介します。

 

卵管因子

女性の不妊原因の中で頻度が高いのが”卵管異常”です。

 

卵管は下図に示す位置にあります。卵管は、卵巣で発育した卵胞から排出された卵子を受け取り、子宮に運び届ける役割があります。

 

卵管異常とは主に、卵管の詰まりや損傷から起こる通過障害を指します。具体的には、感染症(クラミジア、淋菌)や子宮内膜症が原因となって生じる癒着などが原因です。

 

卵管は奥まったところにあるため、その病態を直接調べることが難しいのが卵管障害の特徴です。

 

 

子宮名称

 

 

排卵因子

卵管異常と同じように頻度が高いのが”排卵異常”です。排卵には、内分泌因子(ホルモン)が深く関わっています。

 

排卵異常をきたす具体的な疾患は以下の通りです。

  • 高プロラクチン血症
  • 多嚢胞性卵巣症候群
  • 黄体機能不全
  • 甲状腺機能障害
  • 体重減少性無月経
  • 下垂体性無月経
  • 副腎機能障害
  • etc.

 

”排卵”とは、卵子が卵巣から排出されて卵管に移動することです。つまり排卵異常は、卵巣の異常ということもできます。

 

卵巣は、卵子の基である卵胞を発育させる器官であり、その発育・排卵はホルモン分泌によって精密にコントロールされているものです。このホルモン分泌に異常をきたす疾患が、排卵異常を引き起こします。

 

具体的な妊娠のプロセスについてはこちらをご覧ください。

 

子宮因子

子宮内膜とそれを取り巻く子宮に起因する不妊が子宮性不妊です。

 

卵管を通過してきた受精卵は、子宮に到達すると子宮内膜に着床して妊娠します。この着床プロセスに異常をきたす疾患は子宮性不妊の原因と考えられます。

 

例えば、以下のようなものがあります。

  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 子宮の形態異常
  • 子宮腺筋腫

 

不正出血やひどい月経痛、長い月経期間などが確認されていれば、早期に病院受診した方が良いでしょう。

 

 

男性不妊

不妊全体の原因の約半数が、”男性側に原因がある”と言われています。

男性不妊の原因の主な内訳は下図の通りです。

男性不妊の原因

H10年度厚生省分担研究研究_白井班

 

 

免疫因子

免疫性不妊の原因は主に、精子に対する抗体(抗精子抗体, ASA, anti-sperm antibody)のことを指します。

 

抗精子抗体は、精子に結合して精子の動きを鈍くする働きがあります。そのため、卵に対する精子の受精障害を引き起こします。

 

抗精子抗体

 

 

そして、男性でも女性でも、この抗精子抗体が原因の不妊症が確認されています。その出現率は、不妊患者の男女のうち3%と言われています。

 

一般的に、抗精子抗体を持つカップルの場合、”自然妊娠”、”人工授精”による妊娠成立が困難な場合が多いので、最終的に”生殖補助医療(体外受精)”を選択されるケースが多いようです。

 

 

 

原因不明不妊

不妊症全体の10〜20%を占めると言われているのが、原因不明不妊です。

 

原因不明と言っても原因が無い訳ではなくて、検査などでどうしても見つからない原因が潜んでると考えます。年齢が高い集団で、原因不明不妊の割合が高いとの報告もありますが、もちろん若年者でも原因不明であることはあります。

 

原因不明不妊で想定される原因としては、以下のようなものがあげられる。

  • 染色体異常
  • 卵子の質低下
  • 卵管のpick up障害
  • 子宮内膜ホルモン感受性低下
  • 頸管粘液分泌不全
  • 抗透明体抗体
  • 卵巣自己抗体
  • etc.

 

 

まとめ

不妊症の原因をまとめました。

男性側に原因がある場合が約半数であり、不妊症・不妊治療には夫婦で取り組むことが重要であることがわかります。

 

 

 

 



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