コロナ対応、不妊

猛威を振るっている”新型コロナウィルス感染症”によって、職を失った方や減給となった方、ボーナスが出なかった方も多いと思います。不妊治療を行っている方にとっては、通院にも支障が出ているでしょうし、収入が落ちた方にとっては、不妊治療費も大きな問題となっていると思います。

そんな中、国が行う「不妊に悩む方への特定治療支援事業」についても、コロナ対応が発表されました。本記事では、その内容を紹介したいと思います。

不妊治療費への助成金制度

国は「不妊に悩む方への特定治療支援事業」として、費用が高額となる”特定不妊治療”=体外受精や顕微授精への治療費の一部を助成する制度を、各都道府県と共に実施しています。

全ての人が、この助成金を申請できるわけではなく、申請には一定の条件が設けられています。

詳細は、以下の記事を参照ください。

主なポイントを抜粋すると下表のとおりです。

条件1治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
条件2特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に判断された法律上の婚姻をしている夫婦であること
条件3夫婦の総所得が730万円まで(夫婦合算の所得ベース)

コロナ対応として申請条件の一部緩和

2020年6月9日に厚生労働省より発行された文書によると、

新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、大幅に所得が減少し、それまで助成によらず実施してきた不妊治療の継続が困難となることや、治療の延期により、本年5月末までの申請ができず、前々年の所得で は要件を満たしていたが、前年の所得で要件を満たさず助成の対象外となってしまうことが想定され、こうした状況に鑑み、時限的に、下記の通り取り扱うこととした。

 

記載された対応は、次の2点です。

①「夫及び妻の前年の所得(1月から5月までの申請については前々年の所得)が730万円未満である場合」を満たさない場合であっても、新型コロナウイルスの影響により所得が急変し、夫及び妻の本年の所得の合計額が730万円未満となる見込みの場合は、助成の対象として取り扱うこととして差し支えない。

②「不妊に悩む方への特定治療支援事業」の所得要件について、新型コロナウイルスの感染防止の観点から治療を延期し、申請が6月以降となった場合に、 前々年の所得が730万円未満であって、前年の所得が730万円以上となる夫婦については、前々年の所得をもって助成の対象として取り扱うこととして差し支えない。

 

ここより、少し噛み砕いて説明します。

①所得が急変した人に対しての対応

通常であれば、前々年以降の所得合算額が730万円以上の夫婦は、本助成を申請することができないが、新型コロナウイルスの影響により今年の夫婦の所得合算額が730万円未満となる見込みの場合、助成金を申請できる。

 

例)

所得

(平成30年)

所得

(令和1年)

所得※

(今年の見込み)

今年の

助成金申請

A夫婦1000万1000万900万
B夫婦1000万1000万700万⭕️

→B夫婦は、通常の制度では助成申請できる条件を満たしていませんが、今回の時限措置では申請ができるようになります。

 

※通常であれば、所得は前年か前々年の額を参照して助成対象か否かを決めます。今回の新型コロナウィルス感染症の影響によって今年の所得が730万未満となったかどうかは、来年になってわかることであり、今現在知ることができません。そこで今回の措置では以下の方法で計算した額を所得と見なし、助成申請の可否を判断することとなります。

・令和2年2月以降以降申請月までのうちの任意の1ヶ月の給与等を12倍し、年間の給与等を推計。
・賞与等について、勤務する会社等の賃金規定・支給方針等をもとに推計。

・給与等を所得に直す計算については、給与所得控除を考慮。

・所得からの控除等は申請者の申告によるものとする。

※ 個人事業主等については、給与所得者に準じた扱いとする。

②申請が6月以降となってしまった人への対応

申請条件の一つである所得は、

・申請月が1〜5月の場合、前々年の所得

・申請月が6〜12月の場合、前年の所得

が使われます。

 

例えば、前々年の所得が700万で、前年の所得が750万の夫婦の場合、6月以降は申請条件を満たさなくなり助成金を受け取れなくなってしまうので、1〜5月の間に申請しなければなりません。

 

しかし、新型コロナウ イルスの感染防止の観点から治療を延期したことにより、本来であれば5月までに申請できたのに、申請が6月以降にずれ込んでしまった夫婦がいると十分想定されます。このようなケースの夫婦が不利益を被らないように、

【前々年の所得が730万円未満であって、前年の所得が730万円以上となる夫婦】

については、前々年の所得をもって助成の対象として取り扱うこととなります。

 

例)

所得

(平成30年)

所得

(令和1年)

所得※

(今年の見込み)

今年の

助成金申請

C夫婦700万750万750万⭕️
D夫婦750万750万750万
E夫婦750万750万700万⭕️

→E夫婦は、前述の①の措置によって申請可能となります。

 

元の文書は以下のリンクから閲覧できます。

厚生労働省の案内文書

 

その他の緩和政策

上記の厚生労働省から発出された緩和に基づいて、独自の対応を行っている都道府県もあります。

そのため、皆さんがお住まいの都道府県のホームページで、コロナ関連対応を検索してみてください

例えば東京都の場合は、所得条件の額を高めに設定して、より多くの夫婦が対象となるような対応となっています。

(厚労省)730万未満 → (東京都)905万未満

 

さいごに

国の「不妊に悩む方への特定治療支援事業」による不妊治療費の助成金は家計にとって非常に重要な制度であり、これありきで治療をスタートする夫婦も多いと思います。

今回の新型コロナウィルス感染症の影響を考慮した申請条件の緩和によって、治療を急いだり、申請を焦ったりする人も減ると思いますので、非常に素晴らしい措置だと思います。

 



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