
妊婦が、トキソプラズマに感染する恐れのある食品を避けなければならないのをご存知ですか?あまり馴染みのない名前かもしれませんが、意外と身近に潜んでいます。普通の人にとっては問題ないのですが、妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼす危険性が高いものです。この記事では、どこにトキソプラズマ感染の危険が潜んでいるのか、どのような悪影響があるのかについて紹介します。妊婦の方や、家族に妊婦がいる方は、特に最後まで読んでください。
記事の内容の一部は国立感染症研究所ホームページの情報を参考にまとめています。
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原虫とは
原虫は、ゾウリムシやアメーバ等の単細胞の微生物のことで、運動能力や捕食能力を持ちます。あの原虫は人や動物に寄生して重い病気を引き起こします。これらに対しては一般的に、有効で安全なワクチンや治療薬がほとんどないのが特徴です。
例1)ヒトにしか寄生できない宿主特異性の強い種類(マラリア原虫やイソスポーラなど)
例2)ほかの複数の動物種にも寄生し、人畜共通感染症を起す種類(赤痢アメーバやクリプトスポリジウムなど)
いくつかの感染型が知られており、以下の物がヒトの体内に取り込まれて感染します。
- シスト: 嚢子(のうし)とも言われる休眠状態のサナギのような形態(赤痢アメーバやランブル鞭毛虫など)
- オーシスト: 接合子嚢(せつごうしのう)とも言割れる卵のような形態(トキソプラズマ、コクシジウム類)
- 胞子: (微胞子虫類)
トキソプラズマとは

普通の成人がトキソプラズマに感染すると
妊婦がトキソプラズマに感染すると
妊娠初期に感染すると死産・流産・児に重い障害がでることもある。
妊娠中期以降では、母親は無症状でも胎児に感染して、脈絡網膜炎、中枢神経系障害、肺炎、心筋炎、水頭症、精神障害、運動障害などの病気を起こす可能性があります。
トキソプラズマに感染しやすい環境
トキソプラズマを含む恐れがある食品
【注意点】
- 野菜や果物はよく洗うか、皮をむく
- 包丁・まな板などは生肉等を扱った後に十分に洗浄
- 豚肉、ラム肉は生や半生では食べない
- ネコを飼育している方は要注意
- 川の水や井戸水などの生水は飲まない
- 疑われる原因から2週間~1ヶ月経過するまで検査できない
まとめ
トキソプラズマは単細胞の微生物で、妊婦が感染すると、流産や胎児の健康に大きな影響を与えてしまう可能性があります。トキソプラズマは、身の回りの至る所に感染源となるものが存在します。特にネコを飼っている方にとっては、ネコ自身やネコトイレ、居住環境全体が感染のリスクを高めてしまうものになります。また、ブタやラムなどの生肉からも感染する可能性があるので、妊婦は特に注意する必要があります。